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【情シスの星 #023】連絡手段が乱立!情シスが直面するツール分散問題

         

今週の業務日誌(当番:星)

仕事をできるだけ効率化したいので新しいツールを導入してみるっていうのは仕事に対する姿勢としては素晴らしいことじゃけえ、それを全面的に禁止したりするのは、ワシ的にはできればやりとうないんじゃけど、やっぱり情シスが知らんところでいろんなツールが走っとるとそれはそれで危険が危ない状態でリスクが高いけえ、ほんまやめてほしいんよね。それで情報漏洩とかになったら取り返しつかんわけじゃし。

それこそ、iPodが発売されたころはあれはハードディスクを持ち歩くにも等しいけえ、会社に持ち込むのはいかがなものか、みたいな議論がされとったことあったけど、今となってはみんなその当時のiPodの何十倍も容量があるスマホを肌身離さず持っとるわけじゃけえ、まぁ、ワシらが必死になって規制したところで数年経つと冗談みたいな話なんかも知れんけど、同じ社内でも部署ごとに使っとるツールが違うせいで、本来は簡単なはずの社内のやりとりが必要以上に複雑化しとるのはちょっとなんとかせんといかんのよ。

いや、わかるんよ、使っとる人にしてみたらどっちでも良さそうに見えるんじゃろうけど、これはこれでそれなりに問題じゃけえ、なかなか悩ましいんよね。

(情シス部 チームリーダー 星修一)

連絡手段が乱立!情シスが直面するツール分散問題

みなさん、こんにちは。「情シスの星」編集部です。今日もおつかれさまです。金曜日の朝にお送りする「情シスの星」では、情報システム(情シス)部門の日常を通して、業務の裏側に迫ります。

これまでの情シスの星シリーズ ▶︎

リモートワークの普及に伴い、チャットツールの使用は以前より身近なものとなりました。みなさんの会社では、社内の連絡手段として主に何を使っていますか?

C&B社のように、そもそも情シスでの管理が行き届かず、部門ごとにチャットツールが乱立しているケースもあります。あるいは、現状メールや電話でのやり取りが中心で、チャットツールの必要性を社内で理解してもらうために奮闘している情シス部員の方もいるのではないでしょうか。そんな現状を踏まえ、今回はチャットツールの利用について考えたいと思います。

実態調査から見るオンラインツールの利用状況

大企業(従業員数1,000名以上)の情報システム・総務部門所属の会社員108名を対象にした調査結果によると、約9割が「複数のオンラインツールを使っている」ことがわかりました。

(出典:「大企業の約9割が「オンラインツールを複数利用」するも、使いこなせている従業員は30%程度」PR TIMES

そのうえで、同調査では、8割以上の担当者が、複数ツールの運用に苦労を経験しているという結果も浮き彫りになっています。特に問題として挙げられているのが「コミュニケーションが複数のツールに分散し、情報が一元化できない」という点です。

(出典:「大企業の約9割が「オンラインツールを複数利用」するも、使いこなせている従業員は30%程度」PR TIMES

あくまで”オンラインツール”の括りでの調査のため厳密にチャットツールの利用状況とは異なるものの、複数ツールの利用に対して課題を抱えている企業が多く存在していることがわかります。

メール、電話、チャット……ツールが乱立するリスク

チャットツールはもともと、「手軽なコミュニケーション手段」としての利点がありますが、部門ごと・取引先ごとに異なるツールを使うようになると、次のような弊害が生じがちです。

  • 部門間のやり取りが統一されず、伝達にムダが生じる
  • 情シス部門がすべてのツールを管理しきれず、セキュリティ対策の差が出る
  • 情報がツールごとに分散するため、社内のナレッジが蓄積しにくい


みなさんの会社がもし「電話やメールが中心」「情シスの管理外で、いろんなツールが乱立している」「使いたいけど、なかなか周りが乗り気じゃない」といった状況なら、少し立ち止まって社内を見直す時期かもしれません。

チャットツールを一元化するためのプラン

ツールの分散が進むと、結果的に情シス部門の負荷が増してしまいます。そこで、ツールの一元化に向けて、以下のような取り組みを進めることが大切です。

・チャットツールの必要性を理解してもらう
メールや電話文化が根強い企業では、そもそも経営層や各部署の担当者に「なぜチャットツールなのか」を明確に説明する必要性があります。

・ツールを選定し、1つに集約する
ツールが乱立している場合、どのツールに統一するのか決定した上で、「社内コミュニケーションはこのツール」「社外とツールを用いた場合は申請する」といったルールを策定するのが理想です。

・利用する文化を作る
ツール統一のためには、社内で利用する文化を作ることも大切な点です。各部署に推進リーダーを置き、チャットツールを現場で積極的に使うよう促進するのも1つの手でしょう。

チャットツールの統一に向けて

「チャチャット終わらせましょう!」と諸星くんは息巻いていましたが、実際には社内の現状調査や、各部署への根回しが必要不可欠。チャットツールの整備に頭を抱えている情シスの皆さんも、まずは現状の把握と各部署との連携から始めていきましょう。

それでは、今回のまとめです。

【学ぶべき3つのポイント】

①チャットツールの分散にはリスクがある
複数のツールが乱立すると、セキュリティや情報共有における問題が発生しやすくなります。

②情シスの作業負担を減らすためには一元化が大切
一つのツールに集約することで運用・管理を効率化し、情シス部門の負担を軽減できます。

③チャットツールの活用文化を育てる
推進リーダーの設置や運用ルールの周知を徹底し、社内全体で「使っていく」流れを作ることが重要です。

これからも、「情シスの星」シリーズを通して、星さんの奮闘とともに情シスのリアルをお届けします。それでは、また来週、金曜日の朝10:00にお会いしましょう!


イラストレーター:ユアサミズキ
鳥取県出身、福島県いわき市在住のイラストレーター。
カーオーディオ/カーナビメーカーにて商品企画/商品戦略業務に10年間 従事し、2010年に独立(というか脱サラ)。福島県を拠点にイラストレーター・グラフィックデザイナーとして活動中。ウェブサイトやSNSでは ほぼほぼ毎日、イラスト絵日記として1コマ漫画を掲載しています。それがきっかけで今回の「情シスの星」にもつながったので、継続ってやっぱ大事だな~と思っているところ。
シンプルゆるめなイラストの他、力強い線で描くスタイルや、繊細な線による女性画など、幅広くご活用いただいています。
https://mizdesk.com
 
編集・ライター:七瀬ユウ
新卒で大手Slerに入社し、基幹システムの開発・プロジェクトマネジメント業務に従事。WEB広告企業でセールスライターの経験を経て、2021年にWebライターとして独立。オウンドメディアのSEO記事制作や、SNS運用代行、Kindleプロデュースなどを担う。情シスのじかんでは企画立案から執筆、編集を担当。
 

(漫画:ユアサミズキ、編集:情シスのじかん)

 

知られざる情シスの生態、日常へようこそ
『情シスの星』

情報システム(情シス)部門に潜む、知られざる情シスの生態、日常を描いた漫画シリーズ情シスの星。本連載は、毎週金曜日の朝10時に配信予定です。金曜日は、一週間の締めくくりでありながら、週末への心の切り替えが始まるちょっと特別な日。「あるある〜」と頷いたり、日々の業務に役立つヒントを得たりしながら、情報システム(情シス)部門に携わる方に楽しく読んでいただける連載を目指します。

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