実際に、CIOがいない会社では情シスの出世が困難なのかどうかを解説します。
CIOがいない会社では、情シスは経営層からコスト部門とみなされやすく、出世が困難な場合があります。特に、医療・福祉業界や教育業界などITに疎い業界の場合は、情シスにコストを割くメリットを感じてもらいにくく、出世が遠のくケースが少なくありません。
CIOは、社内や組織内における情報に関する最高責任者であり、情報の管理や活用方法などを含めて経営陣の一人として責任を持って判断をおこなう存在です。情シスの重要性もCIOは経営的視点から他の経営層へ説明できます。
一方、CIOのいない会社の場合は、他の経営層との接点を持ちにくく、経営の意思決定に関与できる機会が少ないため、昇進が困難になる可能性があります。
CIOのいる会社は経営層の理解を得る機会が増えるため、出世の可能性が高まると考えられるでしょう。
調査によると、情シスの多くは裁量や権限が与えられていることに満足している傾向があります。実際、一人情シスや少人数情シスとして組織されるケースが多く、大きな裁量を持つケースも少なくありません。入社後すぐにSaaSの運用管理者を任されたり、基幹システム開発のプロジェクトリーダーに抜擢されたりと、挑戦の機会も多いと言えるでしょう。
そのほかにも、情報セキュリティ対策の企画やIT戦略の立案など、情シスではさまざまな業務を任せてもらえることがあります。
また、業務を通じて裁量や権限の範囲が広がることで、昇給や昇進につながる可能性も高くなるでしょう。CIOがいない場合、経営層からの理解を得にくい面はありますが、明確な評価制度が整った会社であれば、適正に評価されることもあります。
CIOのいない情シスが出世するために必要なことを3つ解説します。将来、出世できるか不安に感じている情シスは、出世のポイントを確認してみてください。
CIOがいない会社では、情シスが経営層と積極的にコミュニケーションを取る機会が少なく、IT投資の重要性を理解されにくい傾向にあります。出世の機会を増やすためには、情シス自身が積極的に経営層とのコミュニケーションを増やし、ITが会社の成長にどのように貢献できるのかを具体的に伝える必要があるでしょう。
経営層からITの重要性を理解してもらうためには、ITの導入や改善による業務効率化やコスト削減のデータを提示することがおすすめです。たとえば「新しいSaaSの導入によって、月20時間の業務削減が可能」といった具体的な成果を提示すれば、ITが単なるコストではなく、利益につながる手段であることを理解してもらいやすくなります。
また、定期的なレポートの作成やプレゼンテーションを実施し、経営視点からITの重要性を提案することも有効です。経営層とのコミュニケーションを積極的に取り続ければ、情シスの存在価値が高まり、出世できるチャンスも広がるでしょう。
経営層から情シスの必要性を理解してもらうためには、情シス自身がIT投資の成果を可視化し、具体的なデータを示すようにしましょう。
たとえば、ヘルプデスクの問い合わせ件数の削減を目的として社内FAQシステムを導入する例を考えてみましょう。社内FAQシステムによって、月100件の問い合わせが50件に減少し、ヘルプデスク担当者の対応時間が50%削減されたと具体的なデータを示せば、IT投資の効果が一目でわかります。
また、RPAを導入した業務効率化の例についても見てみましょう。
例:財務部では、電子帳簿保存の対応が始まり、クラウドに請求書や領収書などをアップロードする必要がありました。RPAでアップロードの作業を自動化することによって1件あたりの処理時間が5分から1分に短縮され、月間300件の処理で合計20時間の業務削減につながった
上記のように、RPAで改善された事象をデータとして示すと経営層もIT投資への効果を実感しやすくなります。業務効率化やリスク削減の効果などの具体的な数値の可視化によって、経営層にIT投資の価値を理解してもらいやすくなり、情シスの評価アップにもつながるでしょう。
CIOがいない会社では、情シスの業務を適正評価するための評価制度が整備されていないケースが少なくありません。評価制度が整っていない会社は、適正な評価が得られず、昇進・昇給が困難になります。そのため、評価制度に対して不満がある情シスは、明確な評価制度のある会社へ転職することが出世する方法の一つです。
評価制度の整った会社では、IT部門の業務に関する明確な評価基準が設けられており、納得のいく評価を得られる可能性が高いです。たとえば「システム導入によって月何時間の工数を削減したか」のように、具体的な指標が設けられていると、適正な評価が得られやすく、CIOがいなくても出世できるチャンスが広がるでしょう。
また、在籍する情シスのキャリアパスが明確な企業を選ぶことも重要です。過去にプロジェクトマネージャーやCIOへの昇進実績があるかなども確認しておくと、出世できる可能性が高くなります。
評価制度やキャリアパスについて具体的に知りたい場合は、転職エージェントの利用がおすすめです。転職エージェントは何度も会社へ訪問し、採用担当者とやりとりをおこなっているため、公式サイトや求人のみではわからない情報まで把握しています。自身に適した会社へ転職するためにも、会社の内部情報にまで精通した転職エージェントから情報を共有してもらうのも一つの方法です。
CIOのいない会社で情シスが出世するためには、経営層から情シスやIT投資の重要性を理解してもらうことが重要です。特に、ITリテラシーがそれほど高くない業界では、情シスはコスト部門と見なされてしまうケースが多く、昇進・昇給が困難になります。経営層に対して、IT投資による効果を具体的なデータで示したり、定期的なレポートやプレゼンテーションによって、重要性を伝えたりするようにしましょう。
また、自社での出世が困難と感じる場合は、評価制度の整った会社への転職もおすすめです。IT部門向けの評価制度が整備された会社であれば、CIO不在でも適正な評価を受けられる可能性が高く、出世のチャンスが広がります。評価制度の整った会社へ転職するためには、会社の求人や公式サイトをよく確認したり、転職エージェントに相談したりすると良いです。CIOがいなくて出世できるか不安な情シスは、この記事を参考に自分に合った対策を実施し、出世のチャンスを掴み取りましょう。
著者:成田 大輝
事業会社の情シスとして入社し、社内システム開発のPJや約40事業所のヘルプデスク、ITインフラ整備、情報セキュリティ対策を担当。現在は、株式会社ウェヌシスを立ち上げ、代表取締役として情シス向けの研修事業やコンサルティング事業、BPO事業を展開している。
(TEXT:成田 大輝、編集:藤冨啓之)
月曜日の朝にお送りする「情シス『目』ニュース」では、日々発信されるさまざまなトピックスを情シス・エンジニアの方々向けに「再解釈」した情報を掲載中。AI、働き方、経済など幅広いニュースをピックアップし、業務に役立つほか、つい同僚に話したくなる面白い話題まで身近で自分事化しやすくお届けします。
イベントページはこちら30秒で理解!フォローして『1日1記事』インプットしよう!