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【情シスの星 #019】情シス部の未来を守れ!2025年の崖にどう対応する?

         

今週の業務日誌(当番:田村)

みなさん、あけおめっす。情シスの田村です。2025年の崖ってもう何年も前から言われてることなんで、2025年になって焦ってるようじゃ、ちょっと計画不足というかやややばめな感じもするっすけど、ま、賞味期限が明日までのパンが12時すぎたら急に腐り始めるとかそういう律儀なことになるわけないんで、2025年になったからと言って急にヤバさが増すわけでもないっすからね。ぶっちゃけ、時間と予算さえあればなんとでもなるはずかと。

それに仕事の内容がどんどん変わることってむしろ当たり前のことなんで、色々DX化されて細々した作業から解放されるなら僕はむしろ歓迎したいっすね。仕事なんてなくなったらなくなったで別にいいですし(笑)。でもやっぱ、生成AIとかが普通になってきて、今まで結構時間かかってた作業もサクッと一瞬にして八割くらいは終わる時代になっちゃってますし、僕はこう見えて変化を奨励するタイプですし、情シスの方針に沿った援護射撃する準備はできてるんで、星さん、今年はぜひガツンと攻めた取り組みやっちゃいましょう!読者のみなさんもうちの情シス部の変化をぜひお楽しみに!

(情シス部 田村是人)

情シス部の未来を守れ!2025年の崖にどう対応する?

みなさん、こんにちは。「情シスの星」編集部です。今日もおつかれさまです。金曜日の朝にお送りする「情シスの星」では、情報システム(情シス)部門の日常を通して、業務の裏側に迫ります。

これまでの情シスの星シリーズ ▶︎

「崖」の年がついに到来しました。みなさんの会社では何か対策を進めていらっしゃいますか?今回は、2025年の崖について取り上げたいと思います。

2025年の崖」ってなに?

2025年の崖」というフレーズは、経済産業省のDXレポートで示された概念。老朽化した基幹システムを放置していると、2025年以降に日本企業が最大で約12兆円もの経済損失を被る可能性がある……という衝撃的な警告です。

(参考:「DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~」(経済産業省))

みなさんの会社でも、一見何事もなく動いているレガシーシステムがありませんか? 20年以上前に導入したシステムや、何度もカスタマイズして「誰が触っても正体不明」な状態(いわゆるブラックボックス化)になってしまったシステム……。そのようなシステムを見直さなければ、維持コストの増加や、ビジネスがストップしてしまうリスクが高まる、というのも2025年の崖に関係する話です。

DXを実行する上での問題点

DXレポートでは、2025年の崖に触れた上でDXの取り組みの重要性が言及されているわけですが、わたしたち企業が向き合うべき問題をまとめると、以下の4つです。

1. IT人材不足
現在日本では、IT機器やシステムを扱える人材が不足していると言及されています。DXレポートでは、人材不足は2025年に約43万人までに拡大するとも予測されているほどです。また、2025年にはレガシーシステムの知見を持った人材の多くが定年退職の時期を迎えることも危惧されており、既存のシステムの運用保守に対応できないことが問題視されています。

2. 既存システムのレガシーシステム化
企業が導入している既存システムのレガシーシステム化も課題とされています。老朽化したシステムをそのまま放置していると、システムの維持管理費はIT予算の9割以上になるとも指摘されています。古いシステムの複雑化・ブラックボックス化は、コストや経営・事業戦略上で足かせになってしまうのです。

3. セキュリティ面のリスク
保守運用者が不足することで、セキュリティリスクが高まることも問題となります。DX化を進めるために新たなITシステムを導入したとしても、セキュリティ面でのトラブルが発生してしまえば、企業として大きなダメージを受けてしまいます。

4.IT技術の変化への対応不足
こうした背景から、企業はデジタル技術の発達などの市場の変化に対応することが求められています。逆にいえば、変化に追いつけない企業は競争に敗れる可能性が高いということです。

DXに向けた取り組みとは?

とはいえ、DXを推進する上では、DX化へ向けたリスク管理や、社内の抵抗とも向き合う必要があります。C&B社では、「ウチはデジタル化から始めるのが現実的かも」という話も上がっていましたね。

DXには段階があり、DXとデジタル化には違いがあるという点も押さえておくといいでしょう。DXとはそもそも、単にレガシーシステムを移行しようという話ではなく、企業の提供価値やビジネスモデルに変革をもたらすことと定義されています。また、DXとデジタル化の中間といえる概念として「デジタライゼーション」があります。

デジタル化:デジタル技術やサービスの導入によるアナログ・物理データのデジタルデータ化

デジタライゼーション:デジタル化によって、業務・製造プロセス単位の変革を生み出すこと

DX:デジタル化・デジタライゼーションによって、企業の提供価値やビジネスモデルに変革がもたらされること

企業が目指すべきDXの方向性については、2020年12月に公開された『DXレポート2』や2021年8月公開の『DXレポート2.1』、2022年7月公開の『DXレポート2.2』でも触れられているため、情シス担当者としては一度目を通しておくといいでしょう。

参考:
「DXレポート2 中間取りまとめ(概要)」(経済産業省)
「DXレポート2.1(DXレポート2追補版)(概要)」(経済産業省)
「DXレポート2.2(概要)」(経済産業省)

2025年の壁に向けた対策については、以下の記事でも紹介しているのでぜひあわせて読んでみてください。

2025年の崖とは?経済産業省のDXレポートが示す問題点や対策をわかりやすく解説!

 

地道な取り組みが2025年の崖を超えるカギ

さて、今後はデジタル化に向けて、C&B社の情シス部にも動きがありそうです。新しいことに取り組むには、情シス部や経営層の理解と協力が不可欠。課題を一つずつ解決していく地道な姿勢が、2025年を乗り越える一歩になるはずです。

「情シスの星」では、さまざまな課題と向き合うC&B社メンバーの奮闘も描いていけたらと思っています。

それでは、今回のまとめです。

【学ぶべき3つのポイント】

①2025年の崖とは
日本の多くの企業が抱えるシステム老朽化やIT人材不足の問題で、年間12兆円もの経済損失が予測されています。

②DXを実行する上でさまざまな問題点を抱えている
IT人材不足や既存システムのレガシーシステム化など、DXを実行する上で企業が向き合うべき問題が存在しています。

③DXには段階がある
DXとデジタル化には違いがあり、デジタル化→デジタライゼーション→DX、という段階があります。

これからも、「情シスの星」シリーズを通して、星さんの奮闘とともに情シスのリアルをお届けします。それでは、また来週、金曜日の朝10:00にお会いしましょう!


イラストレーター:ユアサミズキ
鳥取県出身、福島県いわき市在住のイラストレーター。
カーオーディオ/カーナビメーカーにて商品企画/商品戦略業務に10年間 従事し、2010年に独立(というか脱サラ)。福島県を拠点にイラストレーター・グラフィックデザイナーとして活動中。ウェブサイトやSNSでは ほぼほぼ毎日、イラスト絵日記として1コマ漫画を掲載しています。それがきっかけで今回の「情シスの星」にもつながったので、継続ってやっぱ大事だな~と思っているところ。
シンプルゆるめなイラストの他、力強い線で描くスタイルや、繊細な線による女性画など、幅広くご活用いただいています。
https://mizdesk.com
 
編集・ライター:七瀬ユウ
新卒で大手Slerに入社し、基幹システムの開発・プロジェクトマネジメント業務に従事。WEB広告企業でセールスライターの経験を経て、2021年にWebライターとして独立。オウンドメディアのSEO記事制作や、SNS運用代行、Kindleプロデュースなどを担う。情シスのじかんでは企画立案から執筆、編集を担当。
 

(漫画:ユアサミズキ、編集:情シスのじかん)

 

知られざる情シスの生態、日常へようこそ
『情シスの星』

情報システム(情シス)部門に潜む、知られざる情シスの生態、日常を描いた漫画シリーズ情シスの星。本連載は、毎週金曜日の朝10時に配信予定です。金曜日は、一週間の締めくくりでありながら、週末への心の切り替えが始まるちょっと特別な日。「あるある〜」と頷いたり、日々の業務に役立つヒントを得たりしながら、情報システム(情シス)部門に携わる方に楽しく読んでいただける連載を目指します。

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