キーワード

【情シスの星 #020】なぜ進まない?デジタル化の”壁”とは

         

今週の業務日誌(当番:諸星)

どーも。諸星っす。いやー、デジタル化の波が確実にやってきてることは自分もわかってはいるんですけど。なんか、こう、やっぱり、心がこもったお手伝いというか、日常的に接していて、その人の抱えてる課題とかを理解した上でヘルプの手を差し伸べるっていうか、その人の仕事だけじゃなくて、それ以上の部分をアシストするくらいの気持ちでやらないとそれは丁寧な仕事とは呼べないと思ってるんですよね。そもそも、何か困り事があった時に情シスを頼ってもらえるっていうことが最初の一歩なわけですし、目を見てありがとうって言われること以上に働いてて嬉しいことはないっす。

まぁ、そうは言っても、困り事があった時に何の連絡もなくいきなりデスクにやってくる件数が最近増えすぎちゃってて、デスクで直接やりとりしてると作業記録とかそういうのが残しにくいんで、同じ問題があった場合の前回の対応ログとか、この一週間でどのくらいの案件をやったかの振り返りができない時もあって実はちょっとだけ困ってたりもしますし、同じ質問が別の人から繰り返しやってくることもあって、そこらへんも含めて日々の業務の諸々には改善の余地はあるなぁって思ってるんで、とりあえずは星さんの言う通りに体当たりする気持ちでトライしてみようかとは思ってます。そんなわけで2025年も楽しい一年になりますように。みなさんのお役に立てるように自分も頑張りますのでよろしくお願いします!押忍!

(情シス部 諸星学)

なぜ進まない?デジタル化の”壁”とは

みなさん、こんにちは。「情シスの星」編集部です。今日もおつかれさまです。金曜日の朝にお送りする「情シスの星」では、情報システム(情シス)部門の日常を通して、業務の裏側に迫ります。

これまでの情シスの星シリーズ ▶︎

前回の19話では、「2025年の崖」について触れたうえで、企業が向き合うべき問題点と、DXにはデジタル化→デジタライゼーション→DXという段階がある、という話をしました。今回は、デジタル化について深掘りして触れたいと思います。

デジタル化の目的は?

さて、デジタル化と一口にいっても、紙の運用をデジタルにすればそれでいいという単純な話ではありません。星さんも漫画で触れていたように、デジタル化はそれ自体がゴールではないのです。デジタル化に取り組む理由として、たとえば以下のような内容が上げられます。

  • 業務効率化・生産性の向上
  • リモートワークや働き方改革への対応
  • 人的リソース不足の解消


重要なのは「どのような業務の変革や効率化を目指すのか」という目的の明確化です。情シス部としては、企業全体や各部門が抱える課題を洗い出し、それに合わせて最適なITツールや仕組みを提供しなければなりません。

星さんが上げていた「チャットツールの統一」「ヘルプデスクの自動化」「ハンコ文化のデジタル化」のように、デジタル化の取り組みはさまざまです。現場の課題を掴んだうえでアプローチするという考え方は、情シス部のメンバーにとって重要な視点といえるでしょう。

日本におけるデジタル化の取り組み状況

総務省が公開している 『情報通信白書 令和6年版』より、日本企業におけるデジタル化の取り組みを見てみると、日本におけるデジタル化の取り組みは諸外国と比較して遅れています。

デジタル化の取組状況(各国比較)

(出典:総務省(2024)「国内外における最新の情報通信技術の研究開発及びデジタル活用の動向に関する調査研究」

調査結果から、日本ではデジタル化に関連する取り組みを実施していない企業が約50%ということが読み取れます。同調査では、「人材不足」「アナログな文化・価値観が定着している」「DXの役割分担や範囲が不明瞭」といった課題が、デジタル化における障壁となっていることも明らかになっていました。

デジタル化に関して現在認識している、もしくは今後想定される課題や障壁(各国比較)

(出典:総務省(2024)「国内外における最新の情報通信技術の研究開発及びデジタル活用の動向に関する調査研究」

マインドセットの変革も課題

前述した調査にもあったように、実は「アナログな文化・価値観が定着している」といった文化的・価値観的な側面も、デジタル化を進めるうえでの課題となっています。

IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)が発表した『デジタル時代のスキル変革等に関する調査(2023年度) 全体報告書』によると、「DX(デジタルトランスフォーメーション)を進めるための人材育成」において、社員の「スキル向上・獲得へのマインドシフト」が最も多い課題として上げられました。

(出典:独立行政法人情報処理推進機構「デジタル時代のスキル変革等に関する調査(2023年度)全体報告書」

DXという文脈での調査ではありますが、マインド面の重要性を認識させられる結果となっています。DXを推進するうえでは、従来の受動的な学びのマインドから、自律的に学ぶマインドにシフトすることが求められているのです。

デジタル化をリードする存在に

繰り返しになりますが、デジタル化とは、DXの手段であって目的ではありません。本来のDXは、企業文化そのものを変革して新しい価値を生み出すことにあります。

みなさんの現場でも、紙文化からの脱却やヘルプデスクの自動化など、取り組める分野はあるはずです。情シス部の視点でデジタル化をリードし、新しい働き方やビジネスチャンスを切り開いていきましょう。

それでは、今回のまとめです。

【学ぶべき3つのポイント】

①デジタル化は目的ではなく手段
デジタル化はあくまで手段であり、デジタル化自体がゴールではないことを認識しておきましょう。

②人材不足やアナログな文化・価値観が障壁となっている
デジタル人材の不足に加え、アナログな文化・価値観もデジタル化を推進するうえでのハードルとなっています。

③マインドセットの変革も重要
自ら学び変化を受け入れる姿勢を育むことで、組織全体でデジタル化をスムーズに進められます。

これからも、「情シスの星」シリーズを通して、星さんの奮闘とともに情シスのリアルをお届けします。それでは、また来週、金曜日の朝10:00にお会いしましょう!


イラストレーター:ユアサミズキ
鳥取県出身、福島県いわき市在住のイラストレーター。
カーオーディオ/カーナビメーカーにて商品企画/商品戦略業務に10年間 従事し、2010年に独立(というか脱サラ)。福島県を拠点にイラストレーター・グラフィックデザイナーとして活動中。ウェブサイトやSNSでは ほぼほぼ毎日、イラスト絵日記として1コマ漫画を掲載しています。それがきっかけで今回の「情シスの星」にもつながったので、継続ってやっぱ大事だな~と思っているところ。
シンプルゆるめなイラストの他、力強い線で描くスタイルや、繊細な線による女性画など、幅広くご活用いただいています。
https://mizdesk.com
 
編集・ライター:七瀬ユウ
新卒で大手Slerに入社し、基幹システムの開発・プロジェクトマネジメント業務に従事。WEB広告企業でセールスライターの経験を経て、2021年にWebライターとして独立。オウンドメディアのSEO記事制作や、SNS運用代行、Kindleプロデュースなどを担う。情シスのじかんでは企画立案から執筆、編集を担当。
 

(漫画:ユアサミズキ、編集:情シスのじかん)

 

知られざる情シスの生態、日常へようこそ
『情シスの星』

情報システム(情シス)部門に潜む、知られざる情シスの生態、日常を描いた漫画シリーズ情シスの星。本連載は、毎週金曜日の朝10時に配信予定です。金曜日は、一週間の締めくくりでありながら、週末への心の切り替えが始まるちょっと特別な日。「あるある〜」と頷いたり、日々の業務に役立つヒントを得たりしながら、情報システム(情シス)部門に携わる方に楽しく読んでいただける連載を目指します。

「情シスの星」へ
   

「情シスの星」のネタ・質問・感想をください!

「情シスの星」では情報システム部門の皆様の姿を4コマ漫画でお届けします。
以下フォーム、もしくはハッシュタグ「#情シスの星ネタ」をつけてXに投稿された「ネタ」を、「情シスの星」で4コマにするかも?!

Xで#情シスの星ネタで投稿する

関連記事Related article

       

情シスのじかん公式InstagramInstagram

       

情シスのじかん公式Instagram

30秒で理解!フォローして『1日1記事』インプットしよう!

close close