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2025年のニュースを「血肉」にしよう!「生成AI進化」を個人で業務に定着させる4ステップ

2025年もさまざまな出来事がありましたが、情シスとして意識したいテーマの一つに、「生成AIの進化」があるのではないでしょうか。OpenAI社のChatGPTが登場してから数年が経ちました。生成AIはもはや、「ちょっと触ってみるツール」から「業務で活用すべきツール」へと位置づけが変わりつつあります。実際、マニュアル作成や資料要約、コーディング、アイデア出しなど、情シス業務における活用シーンは数多く存在します。

一方で、「関連情報を整理しきれていない」「うまく業務に定着させられていない」などと感じている情シス担当者も多いのではないでしょうか。本記事では、2025年の生成AI関連ニュースを情シス目線で振り返りつつ、生成AIという強力なツールを、どのように情シス業務へ定着させていくかについて考えていきます。

ここで、筆者のプロフィールを簡単に紹介いたします。現在はフリーランスのITライターとして活動していますが、以前はITエンジニアとして大手SIerに勤務していました。顧客企業の情シス部門と連携する機会が多く、情シス現場の実情や課題に触れてきました。「情シス『目』ニュース」では、そうした経験を生かして記事を発信しています。

どうする「野放図」な社内の生成AI活用。既存のリスクと対策の違いとは-情シスの「目」ニュース

どうする「野放図」な社内の生成AI活用。既存のリスクと対策の違いとは-情シスの「目」ニュース

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■情シスの「目」ニュースとは?

月曜日の朝にお送りする「情シス『目』ニュース」では、日々発信されるさまざまなトピックスを情シス・エンジニアの方々向けに「再解釈」した情報を掲載中。AI、働き方、経済など幅広いニュースをピックアップし、業務に役立つほか、つい同僚に話したくなる面白い話題まで身近で自分事化しやすくお届けします。

         

2025年の出来事――生成AIは着実に進化

2025年も、生成AIの進化が目覚ましい1年でした。特に印象的だったのは、主要サービス・モデルの相次ぐ大型アップデートや、それに伴う開発競争の激化です。

■2025年ピックアップニュース

OpenAIが「GPT-5」を発表!過去最高性能のAIモデル、その実力と新機能とは?
Googleが新AI「Gemini 3」をリリース。「推論とマルチモーダルにおいて世界最強」と自負
ChatGPT改良に向け「非常事態」を宣言、社内資源集中へ-OpenAIのCEO

2025年8月7日(米国時間)、OpenAI社がChatGPTシリーズの新モデル「GPT-5」を発表しました。GPT-5はGPT-4の後継モデルで、タスクに応じて最適なモードを自動選択する仕組みが大きな特徴で、さらに長文処理能力やコーディング能力、専門領域における回答精度なども向上させています。

いて2025年11月18日(米国時間)、Google社がGeminiシリーズの新モデル「Gemini 3」を発表しました。Gemini 3はGemini 2の後継モデルで、テキスト・画像・音声など複数種類のデータを統合して処理する性能を大幅に強化し、推論能力や画像処理能力、コーディング能力なども向上させています。

そして2025年12月1日(米国時間)、OpenAI社のサム・アルトマンCEOが、「コードレッド(非常事態)」を宣言していたことが、事情に詳しい関係者によって明らかになりました。アルトマンCEOは、ChatGPTシリーズの改良を最優先事項に掲げ、自社社員に対して社内リソースを集中的に投入するよう指示したとのことです。これは、Google社が提供するGeminiシリーズの急速な進化に対する危機感の表れとみられています。

これらの出来事から見えてくるのは、生成AIの開発競争が激しさを増してきているという事実です。

主要な生成AIサービスの概要

こうした状況において、情シスとして重要になってくるのが、「生成AIによって何を行うか」「競争によって進化する各サービスをどう使い分けるか」という視点です。

しかし、「サービスが多すぎて情報を整理できていない」「結局どれを使えばよいのかわからない」といった声も耳にします。ここで、主要サービスの概要を整理してみましょう。

■ChatGPT(OpenAI社)

・生成AIブームの火付け役で、最も知名度が高い

・初心者でも利用しやすい

・汎用性が高い

・得意分野:文章作成、文章要約、翻訳、コーディング、情報整理、アイデア出し

 

■Gemini(Google社)

・Google検索と連携しており、必要に応じて最新情報を反映した回答を生成

・GmailやGoogleドキュメントなどGoogle系サービスと親和性が高い

・画像処理能力が高い

・得意分野:情報収集、事実確認、メール処理、文章作成、画像作成

 

■Claude(Anthropic社)

・長文処理能力が高い

・コーディング能力が高い

・思考力が高い

・得意分野:文章作成、文章要約、コーディング、アイデア出し

※Anthropic社はOpenAI社出身者によって設立された

 

■Perplexity AI(Perplexity AI社)

・情報収集に特化

・複数の情報源をもとに最新情報を調査・要約する

・回答に出典を明示する

・得意分野:情報収集、出典整理

※Perplexity AI社はGoogle社出身者によって設立された

 

■GitHub Copilot(GitHub社)

・ソフトウェア開発に特化

・コード補完機能やデバッグ支援機能などにより開発作業をサポート

・OpenAI社の生成AI技術がベース

・得意分野:コーディング、デバッグ、リファクタリング

※GitHub社はMicrosoft社の子会社

以上のように、生成AIは各サービスごとに強みや得意分野が異なります。業務内容や目的に応じて使い分けることが重要です。

新しいサービスやモデルが次々と登場しているため、「情報をキャッチアップするだけで精一杯」などと感じている情シス担当者も多いでしょう。しかし、一度自分なりに情報を整理しておくことで、以後のキャッチアップが格段に楽になります。それだけ、競争によって進化する各サービスを最大限に活用できるようになります。

 

2026年、生成AIを業務に定着させるための行動リスト

情シス担当者として、生成AIを十分に活用できていますでしょうか。この2026年は、「生成AIを知っている段階」から「生成AIを使いこなしている段階」へのステップアップをしたいところです。今回、そのための具体的な行動リストを作成しました。特別なスキルや大規模な投資を前提としていません。今日からでも取り組める内容です。

 

行動①:生成AIを活用できそうな情シス業務をリストアップする

まずは、日々の情シス業務の中から生成AIを活用できそうなものをリストアップします。「時間がかかっている作業」「難易度の高い作業」「苦手意識のある作業」からリストアップするのがおすすめです。

行動②:情シス業務と生成AIサービスとの対応関係を整理する

続いて、「どの業務を、どのサービスで行うか」の対応関係を整理します。

[対応関係の例]

・ドキュメント作成 → ChatGPT、Claude

・最新情報収集 → Gemini、Perplexity

・コーディング → GitHub Copilot、Claude

もちろん、サービスとの相性もありますので、必ずしも一般論に従う必要はありません。

また、サービスの使い分けに負担を感じる場合は、あえて使用するサービスを絞るのも手です。例えば、一つのサービスで長文作成とコーディングの両方をカバーしたい場合、Claudeが第一候補となるでしょう。

さらに、一つの業務を複数のサービスで対応する手もあります。例えばドキュメント更新作業において、最新情報の収集はPerplexity AIで行い、画像のブラッシュアップはGeminiで行う、といったアプローチです。

行動③:オリジナルのプロンプト集を作る

続いて、オリジナルのプロンプト集作りです。主に次のようなメリットがあります。

・ゼロから考える必要がなく、作業が効率化する

・出力の品質が安定する

・他人と共有しやすくなる

・組み合わせの検討がしやすく、アイデアが広がる

最初は簡単なもので構いません。「こうしたほうがうまくいく」といった気づきは使いながら生まれてくるものです。少しずつ改良していくことで、業務に適したプロンプト集に成長していきます。

行動④:生成AIに関する知見を周囲と共有する

最後に、個人の知見を周囲と共有します。サービスの使い分けやプロンプト集などを共有することで、自分一人では気づけなかった活用方法に出会いやすくなります。

[共有する知見の例]

・この業務は〇〇(サービス名)が向いていた

・〇〇(サービス名)は一段と賢くなっている

・このプロンプトで期待した出力が得られた/得られなかった

・人が対応するしかないと思っていた〇〇作業が生成AIで対応できた

まとめ

2025年も、生成AIサービスが大きく進化した一年でした。OpenAI社のCEOが「非常事態」を宣言したことからも、その競争の激しさが伺えます。

これは、情シス担当者も含め、ユーザーにとっては歓迎すべき状況です。どの業務に、どのサービスを、どのように組み込むのかを考え、現場に定着させていくことで、進化していく各サービスを最大限に活用できます。

2026年は、生成AIの進化に振り回されるのではなく、情シスとして主体的に活用し、業務の効率化や品質向上につなげていく――その第一歩として、本記事の内容がご参考になれば幸いです。

■著者:松下一輝
千葉大学大学院修了後、大手SIerに入社。通信事業者を顧客とする部署にて、主に業務システムの設計・開発業務に従事する。業務を通じて徐々にプレゼンスキルが評価されるようになり、顧客に対する提案ソリューション説明や自社製品紹介などを任されるように。やがて伝えることへの関心が高まり、フリーのライター/ジャーナリストに転身。現在、IT分野やビジネス分野を中心に、各種メディアで記事を執筆している。

(TEXT:松下一輝、編集:藤冨啓之)

 

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