


2025年も、生成AIの進化が目覚ましい1年でした。特に印象的だったのは、主要サービス・モデルの相次ぐ大型アップデートや、それに伴う開発競争の激化です。
■2025年ピックアップニュース
| OpenAIが「GPT-5」を発表!過去最高性能のAIモデル、その実力と新機能とは? |
| Googleが新AI「Gemini 3」をリリース。「推論とマルチモーダルにおいて世界最強」と自負 |
| ChatGPT改良に向け「非常事態」を宣言、社内資源集中へ-OpenAIのCEO |
2025年8月7日(米国時間)、OpenAI社がChatGPTシリーズの新モデル「GPT-5」を発表しました。GPT-5はGPT-4の後継モデルで、タスクに応じて最適なモードを自動選択する仕組みが大きな特徴で、さらに長文処理能力やコーディング能力、専門領域における回答精度なども向上させています。
続いて2025年11月18日(米国時間)、Google社がGeminiシリーズの新モデル「Gemini 3」を発表しました。Gemini 3はGemini 2の後継モデルで、テキスト・画像・音声など複数種類のデータを統合して処理する性能を大幅に強化し、推論能力や画像処理能力、コーディング能力なども向上させています。
そして2025年12月1日(米国時間)、OpenAI社のサム・アルトマンCEOが、「コードレッド(非常事態)」を宣言していたことが、事情に詳しい関係者によって明らかになりました。アルトマンCEOは、ChatGPTシリーズの改良を最優先事項に掲げ、自社社員に対して社内リソースを集中的に投入するよう指示したとのことです。これは、Google社が提供するGeminiシリーズの急速な進化に対する危機感の表れとみられています。
これらの出来事から見えてくるのは、生成AIの開発競争が激しさを増してきているという事実です。

こうした状況において、情シスとして重要になってくるのが、「生成AIによって何を行うか」「競争によって進化する各サービスをどう使い分けるか」という視点です。
しかし、「サービスが多すぎて情報を整理できていない」「結局どれを使えばよいのかわからない」といった声も耳にします。ここで、主要サービスの概要を整理してみましょう。
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■ChatGPT(OpenAI社) ・生成AIブームの火付け役で、最も知名度が高い ・初心者でも利用しやすい ・汎用性が高い ・得意分野:文章作成、文章要約、翻訳、コーディング、情報整理、アイデア出し |
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■Gemini(Google社) ・Google検索と連携しており、必要に応じて最新情報を反映した回答を生成 ・GmailやGoogleドキュメントなどGoogle系サービスと親和性が高い ・画像処理能力が高い ・得意分野:情報収集、事実確認、メール処理、文章作成、画像作成 |
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■Claude(Anthropic社) ・長文処理能力が高い ・コーディング能力が高い ・思考力が高い ・得意分野:文章作成、文章要約、コーディング、アイデア出し ※Anthropic社はOpenAI社出身者によって設立された |
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■Perplexity AI(Perplexity AI社) ・情報収集に特化 ・複数の情報源をもとに最新情報を調査・要約する ・回答に出典を明示する ・得意分野:情報収集、出典整理 ※Perplexity AI社はGoogle社出身者によって設立された |
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■GitHub Copilot(GitHub社) ・ソフトウェア開発に特化 ・コード補完機能やデバッグ支援機能などにより開発作業をサポート ・OpenAI社の生成AI技術がベース ・得意分野:コーディング、デバッグ、リファクタリング ※GitHub社はMicrosoft社の子会社 |
以上のように、生成AIは各サービスごとに強みや得意分野が異なります。業務内容や目的に応じて使い分けることが重要です。
新しいサービスやモデルが次々と登場しているため、「情報をキャッチアップするだけで精一杯」などと感じている情シス担当者も多いでしょう。しかし、一度自分なりに情報を整理しておくことで、以後のキャッチアップが格段に楽になります。それだけ、競争によって進化する各サービスを最大限に活用できるようになります。

情シス担当者として、生成AIを十分に活用できていますでしょうか。この2026年は、「生成AIを知っている段階」から「生成AIを使いこなしている段階」へのステップアップをしたいところです。今回、そのための具体的な行動リストを作成しました。特別なスキルや大規模な投資を前提としていません。今日からでも取り組める内容です。
まずは、日々の情シス業務の中から生成AIを活用できそうなものをリストアップします。「時間がかかっている作業」「難易度の高い作業」「苦手意識のある作業」からリストアップするのがおすすめです。
続いて、「どの業務を、どのサービスで行うか」の対応関係を整理します。
[対応関係の例]
・ドキュメント作成 → ChatGPT、Claude
・最新情報収集 → Gemini、Perplexity
・コーディング → GitHub Copilot、Claude
もちろん、サービスとの相性もありますので、必ずしも一般論に従う必要はありません。
また、サービスの使い分けに負担を感じる場合は、あえて使用するサービスを絞るのも手です。例えば、一つのサービスで長文作成とコーディングの両方をカバーしたい場合、Claudeが第一候補となるでしょう。
さらに、一つの業務を複数のサービスで対応する手もあります。例えばドキュメント更新作業において、最新情報の収集はPerplexity AIで行い、画像のブラッシュアップはGeminiで行う、といったアプローチです。
続いて、オリジナルのプロンプト集作りです。主に次のようなメリットがあります。
・ゼロから考える必要がなく、作業が効率化する
・出力の品質が安定する
・他人と共有しやすくなる
・組み合わせの検討がしやすく、アイデアが広がる
最初は簡単なもので構いません。「こうしたほうがうまくいく」といった気づきは使いながら生まれてくるものです。少しずつ改良していくことで、業務に適したプロンプト集に成長していきます。
最後に、個人の知見を周囲と共有します。サービスの使い分けやプロンプト集などを共有することで、自分一人では気づけなかった活用方法に出会いやすくなります。
[共有する知見の例]
・この業務は〇〇(サービス名)が向いていた
・〇〇(サービス名)は一段と賢くなっている
・このプロンプトで期待した出力が得られた/得られなかった
・人が対応するしかないと思っていた〇〇作業が生成AIで対応できた
2025年も、生成AIサービスが大きく進化した一年でした。OpenAI社のCEOが「非常事態」を宣言したことからも、その競争の激しさが伺えます。
これは、情シス担当者も含め、ユーザーにとっては歓迎すべき状況です。どの業務に、どのサービスを、どのように組み込むのかを考え、現場に定着させていくことで、進化していく各サービスを最大限に活用できます。
2026年は、生成AIの進化に振り回されるのではなく、情シスとして主体的に活用し、業務の効率化や品質向上につなげていく――その第一歩として、本記事の内容がご参考になれば幸いです。
(TEXT:松下一輝、編集:藤冨啓之)

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