About us 情シスのじかんとは?
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IT化が進められる現代で、社内に情シス(情報システム部門)を配置する企業が増加傾向にあります。しかし、「情シスの具体的な仕事内容は?」「情シスの業務に向いている人の特徴は?」など、情シスに関して詳しく理解している方は多くありません。
情シスは社内のIT関連システムの開発、運用、管理を行う組織です。本記事では、情シスの具体的な業務内容を詳しく解説します。また、情シスに向いている人の特徴や求められるスキル、キャリアパスなども紹介するため参考にしてください。
情シスとは企業に配置される情報システム部門の略称です。情シスの基本情報として以下の3つを紹介します。
それぞれ確認していきます。
近年のIT化の進展により、多くの企業がITシステムを導入しています。情シスは業務で使用する社内システムの開発やネットワークの運用、ルータやPCなどの管理する業務を担います。
また、社内システムは開発して導入すれば終わりではありません。毎日正しく運用できているか確認し、必要に応じてメンテナンスを行う役割も担います。
現在は、ITシステムやパソコンなどIT機器なくして企業運営は難しくなりました。ITシステムに不具合が生じた場合に即座に対応できる人材がいないと、もしものトラブルの場合に業務がスムーズに進められなくなります。
情シスは、ITに関する専門性の高い人材が配置される組織です。社内のITシステムやパソコンの管理などを滞りなく行い、事業をスムーズに進行していくためにも重要な役割を果たすのです。
情シスと社内SEはよく混同されて使用されていますが、言葉が示す対象が異なります。
情シスとは、社内の情報システムに関する業務を担当する部署を指します。一方で社内SEとは、情報システム部門で社内の情報システムを取り扱うエンジニアのことです。情シスと社内SEの違いを理解しておきましょう。
情シスの主な仕事内容として以下の4つの業務を紹介します。
それぞれ確認していきます。
情シスは社内システムの開発・管理が重要業務の1つです。社内システムの設計から導入後に社内で適切に機能しているか確認します。
情シスに属する人材が多い企業の場合は、社内で社内システムの開発から管理までを一貫して行います。しかし、情シスの人材が豊富ではない小規模な企業の場合は、外部ベンダーへ外注することが一般的です。
パソコンやUSB、社内ネットワークなどのIT機器の運用・管理業務も情シスが担当します。
IT技術の発達によりビジネスを行ううえでIT機器はなくてはならないものとなりました。
これまで、IT機器をはじめ社内の設備の管理は総務部が担うことが一般的でした。しかし、日々最新のIT機器が開発されており、社内で利用する機器が多岐にわたるなかで社内のIT機器の管理を一括して情シスに任せるケースも増えています。
社内システムに関する社員からのお問い合わせ対応も情シスの役割です。情シスで開発された社内システムは社内の各部署に共有されて使用されます。しかし、他部署で働く社員全員がITに関する高いスキルがあるわけではありません。
そのため、社内システムに関して疑問点がある場合は情シスへと問い合わせが届きます。各部署の社員に対するヘルプデスク業務や、もしもの際のトラブル対応なども情シスが担います。
社内システムのなかでは、日々重要な情報が扱われます。そのため、社内システムのセキュリティ対策も情シスの重要な役割です。
情報流出は会社の信用を失い、経営面で大きな被害を受ける原因となります。そのため、現在のセキュリティ状況を詳しく把握して、不足があればその都度セキュリティ対策を実施しなければなりません。セキュリティを常に最新の状態に保ち、情報の漏洩対策やウイルス対策を行うことも情シスの重要な業務となります。
情シスに向いている人の特徴として以下の3つが挙げられます。
情シスに向いている人の特徴や求められるスキルを確認していきます。
情シスでは、コンピューターシステム、ネットワークインフラ、データベース管理など、情報技術に関する高い専門知識が不可欠です。また、IT技術は日々進歩しているため常に最新の情報にアンテナをはり活用していくスキルも求められます。
そのため、社内に適したシステムを開発するためにシステムやネットワークの基礎知識や応用力を身につけている方は情シスに向いています。
IT環境は常に変化しており、予期せぬ問題や障害が発生します。そのため、情シスのメンバーは複雑な問題に直面した際に冷静に対処し、解決策を迅速に見つけ出さなければなりません。
そのため、情シスで働くためには高い問題解決能力が必要不可欠なスキルとなります。問題解決能力が高い方も情シスに向いています。
情シスの業務は、社内システムの開発や運用だけではありません。組織内のさまざまな部門やベンダーとのコミュニケーションをとることも求められます。そのため、情シスで働くうえで高いコミュニケーションスキルも必要です。
また、開発する社内システムの内容をITに関する知識がない社員にもわかりやすく説明する能力や、プロジェクトの要件を明確に伝える能力も求められるでしょう。そのため、他者と円滑なコミュニケーションをとることが得意な方も情シスに向いています。
情シスに就職や転職するためには特に資格が必要なわけではありません。しかし、情シスは業務に高度なITスキルが求められるため、ITに関する以下の3つの資格取得がおすすめです。
それぞれの資格の特徴を確認していきます。
ITパスポートは、IT関連に関する基礎知識を証明できる国家資格です。情シスで必要になる基礎知識をはじめ、ビッグデータの活用やloTなどIT分野の新しい技術も学べます。
また、ビジネスで必要なマーケティングや財務、個人情報漏洩などの法的知識に関する分野も出題されるため幅広い知識を身につけられるでしょう。これから情シスに就職、転職したい方におすすめの資格です。
基本情報技術者は、経済産業省が認定している情シス担当者向けの国家資格です。ITエンジニアになるための基礎的な知識やマネジメントスキル・プログラミングをもつ証明となります。
主に1〜2年目のプログラマーを対象とした問題が出題されます。ITエンジニアに成り立てで、まずはITスキルの基礎固めをしていきたい方におすすめの資格です。
応用情報技術者は、基本情報技術者からグレードアップした問題が出題される国家資格です。資格を取得することで情シスとしてより実務環境で活かせる知識や技術をもつ証明となります。
また、ITを活かした戦略の立案からシステム設計・開発などを学べるため情シス担当者としてよりプロフェッショナルを目指せるでしょう。ITエンジニアとしてさらに高度な専門性を身につけたい方におすすめの資格です。
情シスで働く社員の主なキャリアパスを2つ紹介します。
以下でそれぞれ確認していきます。
情シスのキャリアパスとして、情シス部門内でのリーダーを目指せます。情シスに配属後に業務への取り組みや成果が評価されると部門をまとめるリーダーやマネージャーに抜擢されます。
情シスのリーダーは情シスで取り組むプロジェクトを円滑に進めるための責任者です。メンバーや業務進行のマネジメント、プロジェクト管理、予算管理、人材管理などの業務が中心となります。また、情シスのリーダーは、上級管理職や他の部門との連携を取ることも求められるためコミュニケーション能力や組織を動かすためのリーダーシップ能力が必要です。
情シスの最終的なキャリアパスとして、社内でCTO(Chief Technology Officer)やCIO(Chief Information Officer)を目指せます。CTO・CIOとは、企業の最上位の技術責任者と情報責任者のことです。
CTOは、新技術の採用や製品開発の最前線を担うことが多く技術革新をリードします。一方で、CIOはIT戦略の立案や情報システムの全体最適化を担当し企業の情報管理を統括します。CTOやCIOを社内に設置する日本企業はまだまだ多くはありません。今後、情報戦略に対する注目度が高まることでCTOやCIOのポジションを作る企業が増加することが予想されます。
企業の組織規模に応じて情シスのタイプは以下の4つに分かれます。
それぞれの組織形態の特徴を確認していきます。
ワンオペ情シスとは、企業内のIT関連業務を一人で担当する形態です。小規模な企業やスタートアップ企業など社員が少ない会社に多い傾向があります。
ワンオペ情シスの担当者はITインフラの管理からソフトウェアの導入、トラブル対応まで幅広い業務を一手に引き受けます。さまざまな業務を一人で担当するため社員の負担が大きくなり退職などのリスクも持ち合わせます。
兼務情シスとは、IT関連の業務と他の部署を兼務しながら業務を進める形態です。主に中小企業で見られる組織形態で、経理部や人事部などの部門に所属しながら、情シス関連の業務も担うケースがよく見られます。
担当者は、情シスの業務と他部署の業務を両立するため業務負担が増大します。兼任情シスもワンオペ情シスと同様に担当者の業務負担が大きくなるため、企業には配慮が求められるでしょう。
情シス部門はIT関連の業務を専門的に行うために設けられた部署です。情シス部門は、ITインフラの構築や管理、システムの開発、セキュリティ管理など、企業のIT戦略に関わる多岐にわたる業務を組織で担います。
部門内には複数の専門性を持ったスタッフが所属し、企業全体の情報システムを支える重要な役割を果たします。部門としての体制が整っているため、トラブルが起きた場合でも柔軟な対応が可能です。
アウトソーシングとは、社外の専門業者に情報システム関連の業務を委託する形態です。
近年では、会社で情シス部門の配置やエンジニアの採用を行うことなく業務を委託するケースも増えてきました。アウトソーシングは人材不足に課題を抱える企業がよく利用しており、人件費削減や業務の効率化が期待できます。
情シスは今後さらに重要な役割を果たす部署になることが予想されます。一方で、情シスは以下の3つの課題を抱えています。
それぞれの課題を確認します。
情シスは、多くの企業で深刻な人材不足が課題となってます。急速なIT技術の進歩により企業ではIT関連システムや高速インターネット環境が急速に整備されました。IT関連業務を任せられる人材を求める企業が増える一方で、システム開発や運用、管理が行える高度なITスキルを持つ人材はまだまだ多くはありません。
そのため、企業によっては社内SE1人で情報システムに関する膨大な業務をこなしているケースもあります。また、スタートアップ企業や小規模企業の場合、そもそも社内SEが社内にいない場合もあります。
情シスは、社内システムの開発・運用だけでなくベンダーとの打ち合わせや社内のヘルプデスク業務、IT機器の管理など業務が多岐にわたります。情シスはただでさえ人材不足という課題を抱えているなかで業務過多となりやすい点も課題の1つです。
業務過多な状態が続くと社員の長時間労働が慢性化し、最悪の場合は情シスで働く社員の退職につながります。情シスはさまざまな業務に対応しなければならないため業務過多の改善も求められています。
情シスの業務は売上に直結しないため、経営陣から軽視されがちです。そのため、他部署と比べると予算を割いてもらえないことも少なくありません。
特に経営陣がITに疎いと、情シスへの事業投資が後回しになるケースもあります。情シスは社内業務の効率化やセキュリティ対策など重要な役割を果たします。社内からの理解不足で思うようなIT戦略を実行できない点も改善が求められています。
情シスが抱える課題の解決方法として、アウトソーシングの利用がおすすめです。アウトソーシングとは、情シスで行う業務を外部に委託する形態のことです。
アウトソーシングを利用することで、社内の慢性的な人材不足や業務過多などの課題を改善して業務を進められます。社内で取り扱う業務をうまくアウトソーシングできればIT人材の確保に頭を抱える心配もなくなるでしょう。また、新たにIT人材を採用するための求人広告の出稿費や面接にかかる人件費など、多大なコストの削減につながります。
情シスが担当する業務の中で、アウトソーシングで任せられる業務例を4つ紹介します。
アウトソーシングしやすい業務例 | 業務内容 |
ヘルプデスク・サービスデスク業務 | 顧客や社員からの質問やトラブルに対応する業務 |
PC設定・IT資産管理 | パソコンの初期設定やデータの移行、管理などに対応する業務 |
ネットワーク・サーバー構築 | サーバー利用の目的に合わせてネットワークやサーバーの構築やメンテナンスを行う業務 |
セキュリティ対策 | 社内のパソコンのウイルス対策、ハッキング対策、パスワード管理を行う業務 |
業務をうまく外注化することで、情シスで働く社員は自社のコア業務に集中できます。情シス部門の人材不足や業務過多に悩みを抱えている企業はアウトソーシングを活用してみましょう。
情シスは社内のIT関連システムの開発、運用、管理を行う組織のことです。今後のIT化の進展により、各企業にとって重要な役割を果たす存在となるでしょう。一方で、情シスは深刻な人材不足や業務過多などの課題もあります。人材不足の会社は、アウトソーシングを活用して組織内の業務負担の軽減を検討してください。
また、ITスキルを持つ人材は今後ますます企業から求められることが予想されます。情シスへの就職、転職を検討している方は記事内で紹介した資格を取得してスキルを高めていきましょう。
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