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2025年のニュースを「血肉」にしよう!嘆くな情シス!生成AIで価値創造するためには

2025年は、生成AIの社会実装が本格化し、IT部門への期待がかつてないほど高まった一年でした。

しかしその一方で、現場を見渡せば「慢性的な人手不足」と「日々の問い合わせ対応への忙殺」という、十数年前から変わらぬ構造的な課題が依然として私たちの足を引っ張っています。技術は進歩しても、現場の疲弊はむしろ深刻化した一年だったといえるでしょう。

本稿では、SIerと社内情シス部門の両方の現場を経験してきた著者が、2025年の情報システム関連のトピックスを振り返りつつ、特に「リソース不足を逆手に取った情シスの役割再定義」というテーマを取り上げて考察します。

2026年以降を見据え、ニュースを単なる「嘆き」で終わらせず、自らをビジネス価値を創出する人材へと進化させるための具体的な行動プランを提示します。

アナログまみれ!J(日本)のT(伝統的)な会社(C)で情シスが変革者になるには?

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2025年で学んだニュース「情シスの人材不足が70%超」「8割以上の情シス担当者が戦略的業務の時間不足を痛感」

筆者が2025年で学んだニュースの中でも特に印象的だったのが、「情シスの人材不足が70%超」「8割以上の情シス担当者が戦略的業務の時間不足を痛感」といった情シスのリソースそのものへの課題提起です。

■2025年ピックアップニュース

ニュースタイトルURL
①情シスの人材不足が70%超。現場から見た長年の課題を克服できない根本的原因は情シスの「目」ニュースhttps://josys.wingarc.com/josyseyenews34
②情シスの「戦略的業務」はできてますか?最大の課題と担当者レベルで行うべきこととはhttps://josys.wingarc.com/josyseyenews48

ニュース①:情シスの人材不足が70%超
70%以上の現場が「人が足りない」と悲鳴を上げている現状であり、その背景にはITへの理解不足や業務範囲の肥大化という構造的な闇があります。

ニュース②:戦略的業務への時間不足
情シス担当者の8割以上が問い合わせ対応に忙殺され、本来やるべき「戦略的業務」に手を付けられていないという現実です。

SIerから事業会社の情シスに転じた私にとって、これらは「いつもの風景」であると同時に、「いい加減に決別すべき風景」だと感じました。2025年になってもこの数字が変わらないのは、私たちが「忙しいことを正義」として、仕組み化を後回しにしてきたツケではないか。そんな危機感が、この記事を選んだ最大の理由です。

2026年の展望と再解釈:システム管理者から「価値のアーキテクト」へ

ここでは、ニュースを踏まえた2026年以降の展望や再解釈について、筆者なりの考え方を以下に示します。

生成AIの日常化と「デジタルの民主化」の完成

2026年、生成AIはもはや「便利なツール」を通り越し、OSのように空気と同じような存在になる可能性があります。非IT部門のユーザーがノーコードツールやAIエージェントを自ら構築し、自律的に業務を改善する「デジタルの民主化」は最終局面に達するでしょう。

これまでの「情シスが作って、現場に配る」という一方通行のモデルは終わりつつあります。しかし、これは情シスの仕事がなくなるということではありません。むしろ、野良ツールが増殖するリスクを管理し、バラバラなデータを統合して全社最適の形に整える「高度な統治能力」が求められる時代が到来すると考えます。

人手不足を「古い運用モデル」を捨てる免罪符にする

ニュースにある「人材不足70%」という数字を、筆者はポジティブに再解釈します。これは「今のやり方では絶対に回らない」という、全社的な合意を得るための大きな武器です。SIer時代、筆者は「要件通りに動くこと」を最優先してきましたが、事業会社の情シスに必要なのは「いかに運用をしないか」を設計する力であるといえます。

「人が足りないから、情シスは問い合わせ対応を卒業し、AIによるセルフサービス化へ舵を切る」という宣言。不足を嘆くマインドを捨て、「標準化・自動化・アウトソース」を徹底的に進める「仕組み化のプロ」へマインドセットを完全に切り替えることが重要となるでしょう。

目指すべき成長像:技術をビジネス価値へ翻訳する「バリュー・アーキテクト」

情シスが2026年に目指すべき姿は、単なるサーバー監視員でもPCのセットアップ係でもありません。経営が掲げるビジョンを、最新のIT技術を使って具体的な「儲かる仕組み」や「抜本的な効率」へと落とし込む「バリュー・アーキテクト(価値の設計者)」です。

「情シスがいなければ、このビジネスモデルは実現しなかった」と言わしめること。技術の目利きでありながら、現場の痛みを知り、経営の言葉でITを語る。この三位一体の専門性こそが、これからの情シスが獲得すべき「血肉」であり、真の成長だと考えています。

2026年に向けた「脱・御用聞き」アクションプラン

情シス担当者一人ひとりが成長を実感し、2026年末に「戦略的業務に昨年よりも大幅に時間を使えている」状態を作るための具体的な行動リストを示します。

【フェーズ1】徹底的な「時間の創出」(1〜4ヶ月目)

AIによる「問い合わせ対応」の無人化:過去のFAQやWikiをAIに学習させ、1次回答をチャットボットに委ねます。AIに「今のFAQのどこが分かりにくいか?」を分析させ、マニュアルを自動修正できるとよいでしょう。

タスクの「棚卸しと断捨離」:「自分がやるべきこと」「AI/ツールができること」「アウトソースすること」を3色で分類します。特に「特定の誰かしかできない作業」を1つずつマニュアル化し、自分から引き離すようにしましょう。

【フェーズ2】経営・他部門との「言語の統一」(5〜8ヶ月目)

「情シスの活動」を経営指標(ROI)で語る:「サーバーが止まらなかった」ではなく、「自動化によって全社で年間◯◯時間の創出に貢献した」というレポートを作成し、経営層へ報告します。それにより、情シスがより経営に密接しているという意識を経営層に根づかせることが重要です。

リスキリングの実行:コードを書く時間を、プロンプトエンジニアリングやデータガバナンスの設計を学習する時間などに割り当てていきます。AIエージェントの構築スキルを身につけ、業務を自動で回す仕組みを作れると大幅な効率化につながるでしょう。

【フェーズ3】戦略的DXのリード(9〜12ヶ月目)

現場への「武器(IT)」の貸与と統制:情シスがすべてを作るのではなく、現場が安全にツールを使える「ガードレール」を整備します。これにより、情シスは「現場の相談役」から「プラットフォーム提供者」へと昇華することが可能です。

データドリブンな「ビジネスプロセス再定義」の支援:各部門に散らばったデータを統合し、BIツールで見える化する環境を構築します。単にツールを入れるだけでなく、「このデータを見れば、次に打つべき施策がわかる」という意思決定の仕組みを現場と一緒に設計しましょう。現場の「勘」を「データ」に変えることで、情シスが事業成長のエンジンの中心に入り込むことができます。

まとめ:ニュースを「嘆き」で終わらせないために

2025年のニュースが示した「人材不足」と「戦略業務の停滞」は、いわば情シスの脱皮を促すサインであるといえます。いつまでも古いOS(属人的な運用)のまま、新しいソフト(DXやAI)を動かそうとしても無理が生じるのは当然です。

私たちが2026年に手に入れるべきは、増員という「量」の解決ではなく、働き方を変えるという「質」の転換です。ニュースを「自分たちの大変さを代弁してくれるもの」として読むことから一歩視座を高め、「今のやり方を変えるための根拠」として使い倒す。そのマインドセットこそが、情シスの未来を明るくする大きな鍵となるでしょう。

■著者:まにほ
大手SIerおよび大手メーカーの情報システム部門で実務経験を積み、現在はITライターとして独立。DX・IT・Webマーケティング分野を中心に多数の記事やコラムを執筆。ITストラテジスト、プロジェクトマネージャー、応用情報技術者などを保有。
 

(執筆:まにほ、編集:藤冨啓之)

   

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